地主は、以後、定期的に地代等を手にすることができます。さて、この場合に、地主Aが最初にBに一住戸(たとえば二○一号室)を売却したときに、Aが所有する他の住戸部分の敷地については、Aが土地所有権を有すると同時に借地権を有することになります。民法の原則に従うと、このような場合には、同一の物について所有権と地上権が同一人Aに帰属することになり、また、Aが債権と債務を有することになりますから、借地権や土地賃借権は混同により消滅することになります(民法一七九条一項、五二○条)。そこで、このような不都合を避けるために借地借家法では、借地権設定にあたり、「他の者と共に〔借地権を〕有することとなるときに限り」自己の所有地上に自己の借地権(自己借地権)が成立することを認めました(借地借家法一五条一項)。また、右の例で、他の住戸の分譲が進んだ後に、AがBから二○一号室を買い戻す場合にも、借地権と所有権の混同の問題は生じますが、この場合にも、借地権は消滅せず、Aが自分の所有地上に借地権を有するものとしました。⑧借地上に契約と異なる建物を建てる場合借地契約においては、当該借地に建築する建物に関し当事者間で条件を定めず、また、増改築に関し制限をしなかった場合には、借地人としては、建築基準法や都市計画法等の法令に反しない限り、どのような建物でも建てられますし、また、自由に増改築をすることができます。ただ、借地契約において、建物の種類・構造・規模・用途を制限したり、増改築を制限したりすることは可能です。

